2014年4月26日土曜日

厳しさの裏側にある優しさ(GMBAブログ)

Keijiです。

昨日、MBAでのすべての授業と宿題が終わりました。

Global MBAは卒業式の後に
MAP(Multidisciplinary Action Projects)が2ヶ月ほどあるので、
プログラムは続きますが、今まで受けていた授業がすべて終わるのは、
感慨深いものがあります。

さて、最近てRossの名物教授の筆頭である、
カルナニ教授の部屋に、ある件で話に行く機会がありました。

カルナニ教授といえば、とても厳しい教授という印象があり、
Fall TermのStrategyの最初の授業では、
宿題のケースを読まずにに参加していた生徒が、
授業中にコールドコール(突然当てられて意見を求められる)をされまったく答えれず、
クラス参加者の前で、(言葉で)ボッコボコにされた、
ということを聞きました。

これ以降の授業で
ほとんど生徒がケースを熟読して参加したということは言うまでもありません。
まぁ、”怖い”という印象を持っている人も多いでしょう。

ところがどっこい。

カルナニ教授の部屋に行った時の彼はとてもやさしく、
Globa MBAの価値をあげるための活動の提案に協力してくれないか、
という我々のオファーを快く了承してくれました。

授業中の厳しさはどこへいったのか。

別の名物教授、リンダリム教授も同様な傾向です。

World Economyという全員が必ず取らないければいけない授業では、
クラス全体にひっきりなしにコールドコールがあり、
授業の開始に1分でも遅れて教室に入ってきた日には、
「でていきないさい」と言われます。
特別な理由以外で、授業の途中で出て行くのももちろん禁止です。

一方、彼女が教えるBusiness in Asiaという選択授業では、
彼女は想像以上の優しさで生徒と接し、
何度も彼女の自宅に生徒を招いては、
先生と生徒、生徒と生徒の交流をしていました。

厳しさと優しさのバランス。

誰かと一緒にチームを組むときや、プロジェクトを回すとき、
優しさだけでもだめだし、厳しいだけでも誰もついてこない。

そのバランスをどうやって保ちながら、最大のパフォーマンスを出すのか、
それぞれの先生を見ながら考えていました。

様々な物事の進め方をどのようなバランスで実行していくのか。
これもRossのMBAで学んだことの一つだと思います。

グループワークをしていてもこんなことを考えることが多くあります。

人それぞれのスタイルはあると思いますが、
今までの経験をもとに、自分中での最適なバランスを上手く見つけて、
チームやプロジェクトをうまく前へ進められるようになりたいと思います。

Keijiでした。

2014年4月12日土曜日

日本のグローバル競争力(GMBAブログ)

Keijiです。

たまに聴講で出席しているGlobal Strategyという授業で、

Japan’s globalization imperative
Why are General Motors and Volkswagen more successful in China than Honda and Toyota?
http://www.mckinsey.com/insights/strategy/japans_globalization_imperative

というケースを読みました。
やっぱり日本の事例が出てくるのは気になります。

この授業は企業のグローバル化に関する議題を取り扱う授業で、
有名なThomas L. Friedman氏の”The World is Flat”
とPankaj Ghemawat氏の”Actually, the world isn't flat”
の2つの議論のコントラストを皮切りに、様々な観点でGlobal化の是非を見ていくものです。

日本の一部の製造業は、グローバル市場でも競争力を長年保っており、
産業をけん引しているのは事実です。特に自動車産業ですね。

一方、ピークを迎えたその競争優位性を、
多くのMNCは少しずつ失っていっているのも事実だと思います。

何故なのか?

・日本が高度経済成長期にMNCも競争力を磨いた。
 その後日本の経済の低迷を受け、日本のConsumer Baseが
 小さくなり生産性が下がることにより、
 グローバルでの競争力を保てなくなってきている。
 MNCと言ってもやはり日本企業。

・多くの競合が市場を侵食してきている。
 彼らはコスト競争力を持ちながら相当程度の
 品質の商品を作れるようになっており
 コンペティションが激化している。

・R&Dを日本を軸にやっており、海外の視点があまり入っていない。
 昔はそれでよかったかもしれないが、どんどんDiversifyする市場の中で、
 日本Orientedな視点のみでは遅れていってしまう。

・グローバル企業なのに多くの役員が海外経験がない、
 海外を理解していないということが往々にしてある。

という議論が考えられます。他にもあるでしょうが。

キャプチャ


上記図の様に、実際に日本とRest of worldを比較するとこんな感じです。

MNCで利益の多くを海外で得ていようが、
やっぱり自国が元気じゃないといけないってことですかね。

あとは、日本がジリ貧だからって理由で海外にビジネスの可能性を模索する、
という視点だけだと、どうしても弱いってことも言えます。

加えて視点がぼやけている、もしくは広すぎるグローバル展開は、
商品のターゲットがぼやけ、誰向けの商品なのかわからなくなる
危険性が大いにあると思います。これは特に個人的な経験から。

その中でも、楽天やユニクロが英語を積極的に取り入れたりして、
グローバルタレントへの垣根をなくし、優秀な人材の確保をしています。

もちろん例外もあると思いますが、日本企業として海外に打って出るには、
まずきびしい日本市場をきちんと攻略する必要性があると思います。 

今回は気になったケースの紹介でした。

Keijiでした。

2014年3月27日木曜日

興味の所在(GMBAブログ)

Keijiです。

今とっているMarketing Engineeringという授業がとても興味深い今日この頃。
数字からMarketing上のDecision Makingの要素を導き出すという授業で、
おもにSTP(Segmentation, Targeting, Positioning)を扱っています。

意思決定をするための判断要素を算出したのち、
そのあとどうやって決定するかは、各々のやり方があります。

ME


一方、今取っているアントレの授業も徐々に面白くなってきて
先日は地元の起業家Menlo InnovationsのRichard Sheridan氏が話にきていて、
"Joy"をキーワードにしたそのユニークな経営方針を語っていました。
いやーおもしろかった。今度クラスメートと会社訪問に行く予定です。
(ソフトウェアの会社なのにPCが2人に1台しかない、
 子供や犬は職場に連れてきて一緒に会議に出でもOK、
 クライアントも子供や犬を連れてきてもいい、等)
http://www.menloinnovations.com/

Menlo


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他にもいくつか授業をとっていますが、
このTermでMBAの授業はもう終わりということもあり、
僕の興味の中心は、授業の中にはなくなってしまいました。

いまは、
 ーいままで学んだことから自分なりの考えを形にしてまとめること
 ーMBAで学んだことをもとに、学べなかったことをどうやって学ぶのか
 ー今後のキャリアプランをどう作るのか
ということばかり考えています。授業以外の読書も増えてきました。

先日先述したアントレプレナーの授業を教えている、
ある会社のFounder・CEOが面白いことを言っていました。

 「実際の起業はMBAでは学べないんだよなー」

MBAで授業を教えながら矛盾していますよね。
でも的を得ていると思います。

MBAで学べることと、MBAでは学べないこと。
重要なのは、MBAを通して授業や経験やネットワークを通して
 ー自分が何をやりたいのか?
 ーどうしたらそれができるのか?
 ー誰とするのか?
 ーいつするのか?

BoPのTed London教授が言っていたことが頭をよぎりました。
以前のブログで,

一方、BoPに対する批判の声も聞こえます。
貧困層でビジネスをやることは、貧困を悪化させているのではないのか。
よく聞かれるのが「Are BoP ventures good or bad for the poor?」という質問です。
しかし、人口問題も含め大きな問題に直面している中で、私たちが考える必要があることは
「How can BoP ventures work better for the poor?」ということだと、教授は強くおっしゃっていました。

と書きました。
MBAに置き換えてみると、
「MBAは高い学費と貴重な時間を割く価値があるものなのか?」
ではなく、
「どうやったらこの経験を価値あるものにできるのか?」
と、考えることが重要なのではないでしょうか。

逆説的に見ると、MBA持ってるから全員が優秀、
なんてことは絶対にない、ということが言えます。
すべて自分次第。

MBAというものに足を突っ込んでから、
変わった自分と、変わらない自分の両方を感じることができます。

まだまだダメなところがいっぱいですが、
 頭でっかちにならず、
 常に謙虚な姿勢を持ち、
 人の話をよく聞きき、
 かつ、自分の信じることは最後まで貫くこと。

相変わらず遅々とした歩みですが、
少しずつ前に進んで行きたいと思います。

2014年3月13日木曜日

突き進むこと(GMBAブログ)

Keijiです。

Winter Bに入り、これで新しくとる授業を選ぶのも最後になりました。
MBAも終わりに向かっています。

Spring Break中に読書をしました。
Jeff


英語ばかりの毎日による日本語の
活字欠乏症を治すのにはもってこいでした。

彼らが成し遂げたことは、MBAに参加している"だけ"では
学べるものではないでしょう。
シンプルに本当にこの人達のやっていることは面白い感じました。

先週、はじめてTESLAのショールームに行ってきました。
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イーロン・マスクが携わったPaypal、スペースX社(ロケット)、TESLA。
輝かしい金融でのキャリアを捨てて、ジェフ・ベゾスが立ち上げたAmazon。
一見何も関係無いように見えるこれらの事業にも共通点があります。

まわりからどんな反対をされようが、否定をされようが、
自分が信じることを実現するために、
ものすごいエネルギーで突き進むということです。

一般論やまわりのアドバイスが必ずしも正しいとは限りません。
自分が信じることを誰もが注げないほどのパワーで前進させることが、
新しい未来をつくる上で重要なことだとつくづく思いました。

 けいじ

2014年2月27日木曜日

デザインとビジネスを融合するってずっと思ってました(GMBAブログ)

Keijiです。
今日はぼやっとしたことを書こうと思います。
そんな気分です。

誰にでもきっかけってあると思います。
日テレがHulu Japanを買ったり、
Lineが衝撃的なビジネスプランを発表したり、
何かきっかけや衝動があって、物事ってきまっていきますよね。

私は、暗黒の中高時代にふと美術で描いた一つの絵から、
グラフィックデザインの世界に進もうと決め、
そこから自分の“専門”のスタートをはじめました。

で、徐々に自分へのFitnessへなんか疑問を感じ、
国際開発に行ってみて、その後ビジネスに転身したら、
なんか一番Fit感があった、という感じです。
手探り感満載でした。時間がかかった。。。

まわりのMBA生の高学歴な感じを横目で見ていると、
自分はだいぶ違ったなぁとつくづく思います。

デザインをやっていた時から、
旧友たちと夜な夜な、出来もしないような壮大な夢を語っていました。
自分の能力や現状を全く考えない、めちゃくちゃ自由な発想でした。

今思うと、実は今後求められていくのは、
デザインとかビジネスとか国際協力とか、
そういう垣根にとらわれない、
新しい価値を生み出すものなような気がしています。

新しい事業や商品を考えるにも、
戦略やマーケのプランだけ語ってても、
かっこいいものなんて出来やしません。

おしゃれなで完璧なデッサンをかけても、
それをプランニングからインプリまで、
しっかり落としこんでいかないと、
いいアイディアも潰れます。

既存の産業とか決まりにとらわれない新しい価値を生み出すもの、
そんなものを作っていくことに関わっていきたいと、
ぼやっと感じる今日この毎。

IDEOを始めとするDesign Thinkingもその一つ。
同じ会社の社費留学している先輩が、おもしろい記事を共有してくれました。

「戦略コンサルティングの次にやってくる「頭脳」は?
頭角を現すデザインコンサルティングの仕事とは」
http://business.nikkeibp.co.jp/article/opinion/20130716/251108/

こういう会社だけでなく、企業内でもそんなカルチャーを作るべきだと。

デザインとビジネスの2つのバックグラウンドを
きちんと活かせる道を見つけたいと思います。

Keiji 

2014年2月13日木曜日

「でさ、ぶっちゃけMBAって意味あるの?」(GMBAブログ)

Keijiです。

授業に慣れてきたこともあり、
MBAの最も忙しい時期は過ぎ、
これからどういうところに着地しようかと
多くの学生が考えているところだと思います。
このGMBAブログもいい機会になっていますが、
MBAの意味や価値を継続的に考えている人も多くいるでしょう。

ここ最近、日本にいる複数の方々から、
  • MBAに行ってどうなのか
  • 何がいいの?行ってよかった?
  • Rossの授業や環境ってどう?
ということを聞かれ、電話等する機会が増えてきました。
mbaworth
正直なところ、おそらくMBAの現学生は、
MBAを取得することを正当化したいという気持ちはあると思います。
なぜならすでに来てしまっているから。卒業生もしかり。

これからMBAに来ることを考える人は、
タイミングや費用、家族、仕事、健康状態、等々、
色々な項目を検討して入学するかしないかの
意思決定をすると思います。

これから受験する人のモチベーションを
下げるつもりではないですが、実際のところ、
”MBAを持っている”からといって
“自分の価値”が飛躍的に高まるか?といったら、
必ずしもそうではないと感じています。

確かに目ん玉が飛び出るくらい素晴らしい先生もいるし、
今までになかった面白い経験ができることは間違いありません。
議論のポイントは、
1,果たしてMBAに来たことで飛躍的に人材の市場価値が高まるのか、
  もしくは
2,市場価値の上昇する可能性が高い人が集まってるから、
  結果的にそうなっているのか。
(何が人材の市場価値の評価基準なのかも議論点ですが)

じゃあ実際のどうなのか。

両方あり得るとは思いますが、
私は2の傾向が強いと思っており
厳しいMBA受験を乗り越えて
(社費の場合は厳しい社内選考も乗り越えて)
高額の学費に値する経験を得ようと来ている多くの人は、
強い決意や情熱を持っている人が(確率的に)多く、
彼ら彼女らと切磋琢磨していける環境に身をおくことが
結果的にMBA取得者の全体価値を形成しているのだと思います。

人生はとても短いと感じる今日この頃。
それらが1だろうが2だろうが、
どんな環境に自分の身をおくか、
決められるのは自分だけであり、
もしかしたら限られた時間だけかもしれません。

まだまだ色々なことに振り回され、
精神的にも成長が足りないと思うことが多いと痛感していますが、 
今のこの時を後悔しない人生にしたいと強く思います。

Keiji

2014年1月30日木曜日

批判の喜び(GMBAブログ)

Keijiです。

最近は今までの授業を通して学んだことを、
自分の考えていることとどう結びつけるのか、
日々考えています。

MBA後半戦に入り、MBA生活を意味あるものにするためには
必要なプロセスだと思っています。

********

最近、小さな組織で動くことと大きな組織を動かすことは、
アクションや論点が大きく違うことが
多いなぁと思うことがよくあります。
(どちらがいいとか悪いとかを意味はしていません。)

立場上、自分の所属している組織に関して、
批判を受けることが多々あります。

私の会社はいわゆる大企業で
その中でも割りと大きい方の多国籍企業です。

批判を受ける理由は明確で、
現在の経営数値への不満、
市場から受ける期待値を上回るようなビジネスができていない、
という言葉に集約できると思います。

しかし、批判をするのは簡単です。
重要なのは実際にそれを変えるためには
具体的に何を、いつ、どこで、どうやったらいいのかを
考える必要があります。
基本的に客観的視点で批判を受けることは
とてもありがたいことで、最近は批判を聞くと、

 ・なんでそう思うのか、
 ・具体的にどのポイントのことをいっているのか、
 ・それを修正するためにはどうしたらいいのか、

という質問をするようにしています。

それらの解が見つかったとしても、
実際にプランを実行し達成するのは、
並大抵のことではありません。
授業中にもケーススタディの中に頻繁に社名が登場するので、
私のバックグラウンドを知っている先生から、
議論を振られることも多々あります。

実際のところ悪い話が多いのですが、
振られれば振られるだけ、
自分に考える機会が回ってきて、
教授や他の学生を巻き込みながら議論が出来る環境は、
とてもありがたいものだと感じています。

 

Facebookにも上げましたが、
先日、最終レポートのフィードバックを貰うために、
Business weekのMBA教授ランキングで2位となっている
ストラテジーのAhuja教授の部屋を訪ねました。 

最後に自分の会社の話になり、こんなコメントを貰いました。

「I know your company is struggling in the industry.
  But I love your company. I bought lots of products.
  I hope your company gonna be well as Japanese leading company」

日本人からは良くこのようなコメントを聞きますが、
Ahuja教授から聞いたのは驚きでした。

また、以前Stanford大学のRobert Burgelman教授にお会いし、
Dinnerをご一緒する機会がありました。

その際に食事をしながらボードの前に立ち、
Corporate Entrepreneurshipについて熱く語っていました。
私の会社のことを話すとこう言われました。

「大企業を変えていくことは、起業するより難しいことなんだよ。
 それは君の挑戦だ」

様々な批判を真摯に受け止めながら、
客観的視点で今後のアクションプランを
自分なりに考えていきたいと思います。

やったるで。